
サイドバーを追尾式にしているサイトをたまに見かけますよね。
弊社で運営しているいくつかのサイトでも Google AdSense 広告を追従させています。これが収益にどれほどの効果をもたらすものなのか、規約に反しない程度でデータを公開したいと思います。
そもそもサイドバーには何を設置すべきなのか、広告以外に追尾させると効果がありそうな要素は何か、というのもあわせて解説していきますので、ぜひご覧ください。
Headline
サイドバーに何を設置すべきか
現在、Naifix ではサイドバーに以下の要素を配置しています。
ヒートマップ分析したところサイドバーがあまり見られていなかったので、ワンカラムに変更しました。
- Google AdSense 広告
- 検索バー
- その記事固有の情報 / 広告(追尾)
- 目次(追尾)
「その記事固有の情報 / 広告」は、カスタムフィールドを使って制御しており、レビュー記事やアフィリエイト目的の記事で使用しています。
スマホで閲覧すると、サイドバー全体がメインカラムの下部に移動する形になっています。レスポンシブ Web デザインで一般的なタイプですね。
以前は「SNS ボタン」「カテゴリー」「新着記事」「人気記事」などを表示していたこともありましたが、記事本文に集中していただくことを目的に極力シンプルな形に落ち着いています。
これが正解、という型はないと思いますが、あれもこれも見てほしいからとたくさんリンクを並べると、読者を迷わせるだけかもしれません。様々なサイトを参考に各要素を配置し、どのくらいクリックされているのかを検証しながら決めていくのがベストです。
スマホユーザーが多いならスマホ最適化を優先すべき
ブログ記事は PC で書くことが多いと思います。そのため、下書きのプレビューや公開後のチェックも PC 中心になっているのではないでしょうか。
しかし、実際にはスマホからのアクセスがほとんどかもしれません。アクセス解析を見ればわかりますので、この機会にチェックしてみてください。
Google アナリティクスであれば「ユーザー」レポートからチェックできます。
仮にスマホユーザーが 90 %以上になっているなら、PC 表示よりスマホ表示の最適化を優先させたほうがよいでしょう。
デザイン(WordPress テーマ)によって違いますが、サイドバーはメインカラムの下部に配置されるか、折りたたまれて隠れている状態になっていると思います。その場合、サイドバーが見られることはほとんど期待できません。
見られていないサイドバーにどんなに工夫を凝らしても意味がないので、PC ユーザーがほとんどいないのであればサイドバーを外してワンカラムにしてしまうのもありですね。
追尾型広告はどのくらいの効果があるのか
冒頭で触れたように、弊社で運営しているサイトの一部では Google AdSense 広告を追尾させています。
昔は AdSense 広告を許可なく追尾させるのは規約違反となっていましたが、2019 年 11 月より全アカウントで許可なく使えるようになりました。ただし、「他の要素と一緒に追尾させるのは NG」などいくつか条件があるので、使用時はご注意ください。
広告を追尾させているのは、それなりの効果が認められたためです。
他の広告と比較検証した結果
運営サイトは以下のような広告配置にしています。

No. | 場所 |
---|---|
広告(1) | 記事タイトルのすぐ下 |
広告(2) | 1 つめの見出しのすぐ上 |
広告(3) | 記事本文のすぐ下 |
広告(4) | サイドバー上部 |
広告(5) | サイドバー下部(追尾) |
モバイルユーザーは 80 %となっておりますが、スマホ表示ではサイドバーが下部に回り込むため、(4)(5)はほとんど見られていないと思います。
それを踏まえたうえで、クリック数と CPC の順位をご覧ください。全広告の合計インプレッション数は 120 万です。
順位 | クリック数 | クリック単価 |
---|---|---|
1 | 広告(2) | 広告(5) |
2 | 広告(1) | 広告(4) |
3 | 広告(5) | 広告(1) |
4 | 広告(3) | 広告(2) |
5 | 広告(4) | 広告(3) |
最終的な推定収益額順で並び替えると、以下の結果となっています。
推定収益額順
- 広告(1) 記事タイトル
- 広告(2) 1 つめの見出し
- 広告(5) 追尾型
- 広告(4) サイドバー上部
- 広告(3) 記事下
Google AdSense の規約上、細かい数値を出すことはできませんが、最も低い(3)の推定収益額をベースにすると(5)の追尾型広告は約 7 倍の収益額となっています。
モバイルユーザーを含めてこの結果なので、PC ユーザーが多いサイトではそれ以上の効果が期待できるかもしれません。
どのようなサイトでも必ず同様の結果が得られるとはかぎらないものの、追尾型広告に抵抗がないのであれば試してみてください。
追尾型サイドバーを採用しているサイト例
Google AdSense の検証結果をご覧いただきましたが、広告以外の要素を追尾させているサイトもあります。
各サイトの投稿ページのうち、以下 2 点を見ていきましょう。
- サイドバーに何を配置しているのか
- そのうち、追尾型にしているのはどの要素か
サルワカ

サルワカさんでは、サイドバーに以下の要素を配置していました(以降、追尾部分は赤字)。
- 各カテゴリーへのリンク
- プロフィール欄
- 検索
- 目次
- 広告( Google AdSense )
Google AdSense と目次の 2 つを追尾させていますが、おそらく Google の許可を得て配置されているのだと思います。
サイドバー上部ではサイト全体について伝え、下部の目次で記事について伝える、という形になっていて美しいですね。
株式会社LIG

LIG さんのサイトでは、サイドバーに以下の要素を配置していました。
- 広告
- 各アーカイブへのリンク
- 広告
- PR 記事
- 特集記事へのリンク(バナー)
パッと見た目にはわからないですが、実はサイドバー全体が追従しています。
左サイドには SNS シェアボタンが並んでおり、これはサイドバーというより「フロート型」と呼んだほうがふさわしいかもしれません。
Moz Blog

Moz Blog はサイドバーなしのワンカラムですが、SNS シェアボタンが追尾型となっています。
- SNS シェアボタン
ヘッダーやフッターにも必要最低限のリンクが並ぶだけで、記事本文に集中できるスッキリしたレイアウトですね。
本文内に散りばめたリンクのほうが検索順位に及ぼす影響は大きいですし、スマホからのアクセスを考えるとこれぐらいシンプルなほうがよいのかもしれません。
Ahrefs Blog

Ahrefs Blog は 3 カラムとなっていますが、どちらかというとサイドバーというより「ワンカラム+フロート要素」という感じかなと思います。
- 著者プロフィール
- 目次
- 記事の統計データ
- SNS シェアボタン
- メルマガ登録フォーム(ページによる)
Content Explorer のデータが Ahrefs らしさを感じさせますね。
ウィンドウ幅が狭くなると右サイドの要素は消えますが、左サイドの目次は残るので、そちらを重視しているということなのでしょう。
サイドバーを追尾型にすべきか
「サイドバーに何を配置するか」に正解はありません。
「サイドバーの全部または一部を追尾型にするほうがよいのか」という問いに対しては、運営者の考えによる、という答えになります。
たとえば Google AdSense の収益を最大化したいなら、先ほどご紹介したとおり、追尾型を採用したほうが効果は期待できるかもしれません。しかし、それが運営者の好むところではなく、ユーザーにとっても不利益になるならやめたほうがよいでしょう。
特定の要素を追尾させる場合も、読みやすさを確保するための余白は必要です。
余白は、スペースの無駄遣いに見えるため、何か配置したくなる気持ちは分かる。しかし、ページの残りの動きを促す効果があるため、実は貴重な存在である。人間の目は、ページの様々要素から、「休む」場所を求める。また、次に向かう場所を把握する必要もある。
そこで余白が役に立つ。
アイトラッキング調査で判明した8つの原則
ごちゃごちゃした状態になっているなら、思い切ってシンプルな形にして各数値への影響を見るのがよいと思います。
まとめ
以上、サイドバーの配置と追尾型広告の検証結果でした。
ブログ記事の主役はあくまで「記事本文」であって、サイドバーやフッターはサブコンテンツです。あなたがユーザーに何をしてほしいのか、ユーザーがページの目的を果たせるようになっているか、という視点で試行錯誤していきましょう。
何事もやってみなければわかりませんからね。
それでは、また。