
ブログが流行する前から Web サイトの無断転載はあちこちで行われていました。自分の記事がどこのだれとも知らない人にコピーされて勝手に使われるのは腹立たしいですよね。
残念ながらブログ記事の無断転載を完璧に防ぐ手段はありません。
でもいざという時のために、自分の書いたものがオリジナルであることを証明する方法は知っておきましょう。パクられる可能性を少しでも減らすための防御策も合わせてご紹介します。
すでにパクられてしまった場合の対処法は以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
Webサイトの著作権に関して
どこからどこまでが著作権侵害になるのか、という線引きは非常に難しいです。
HTML や CSS の部分的なコードは著作物ではないので権利を主張することはできませんし、全体的なレイアウトや配色に関しても「創作的に表現したもの」とは言いがたいんですよね。
Naifix(当サイト)は丸ごとコピペされたこともありますが、レアケースでしょう。
無断転載・盗用は法律うんぬんではなく、その人の良心や考え方次第だと思います。なかには、「記事をパクって何が悪い!?」という人だっているのです。
記事を丸々コピーして、ソース元のクレジットを表示せず、あたかも自分が書いたものだと言う風に見せてたとしても、相手は、それが悪い事だとは思ってないケースがほとんどなのです。
本当は解決してない記事パクリ問題と今後の対策 – ホームページを作る人のネタ帳
商品やキャラクターを勝手に使って商売するのは問題があるとわかっていても、無料で閲覧できるブログ記事はコピーしてもとくに問題ないと思っているのかもしれません。
もちろん、悪いことであるとわかっていながら無断転載する人もいるので、情報を発信する側ができるだけ防御することも大切です。
無断転載や盗作を防御するために必要なこと
一生懸命書き上げた記事をパクられるのを防ぐために、以下のような施策が考えられます。
それぞれの防御策を具体的にご紹介していきます。
法的に守られた著作物であることを伝える方法
防御策(1)
無断転載お断りの文言を入れる
日本ではブログ記事を投稿した時点で著作権が発生しますが、だから安心というわけではありません。
著作権法を知らない方はたくさんいるので、「無断転載お断り」などの一文を About ページやプロフィールページに入れておいたほうがよいでしょう。
全ページの記事末尾やフッターに明記しておくのもよいと思いますが、あまりにデカデカと表示すると一般読者が敬遠してしまうおそれもあるのでやり過ぎには注意してください。
防御策(2)
フッターにコピーライトを表示する
フッターにコピーライトを表記するのも一般的ですが、必須ではありません。ないよりあったほうがいいかな、ぐらいです。
表記する場合に必要なのは、以下の 3 点です。
- コピーライトのマーク「©」
- サイト開始年(省略可)
- 名前(サイト名 or 著者名 or 管理者名)
©2013 Naifix
ブログを更新していることを知らせるために、現在の年数を入れることもありますね。WordPress なら以下のように記述すれば、毎年自動的に更新されます。
©発行年-<?php echo date('Y'); ?> <?php bloginfo('name'); ?>
防御策(3)
画像にウォーターマークを表示する
画像にコピーライトの透かし(ウォーターマーク)を入れるのも得策です。
画像編集時にコピーライトやサイトのロゴを入れるか、WordPress なら「Easy Watermark」などのプラグインで自動的に挿入することができます。
右下隅など目立たない場所に入れると、その部分だけ切り取ってパクられることもあります。でも、全体に大きく配置すると今度は画像が見づらくなるので、位置調整が難しいところです。
自分の記事がオリジナルであることを証明する方法
防御策(4)
「PubSubHubbub」で更新通知を早める
「PubSubHubbub」は、インストール・有効化するだけで、ほぼリアルタイムで更新を通知してくれる便利なプラグインです。
Google も「オリジナルコンテンツと認識するために時間を判断基準としている」と明言しているので、ぜひ導入しておきましょう。
“早い者勝ち”という要因は確かにありますね。自分がいち早く公開した記事だとGoogleに知らせるためにPing送信を進めています。GoogleはRSSフィードもコンテンツ発見に使っています。
Googleはどうやってオリジナル記事とコピー記事を判別するのか | 海外SEO情報ブログ
プラグイン導入と合わせて、Searh Console のサイトマップ送信で RSS フィードの URL を登録しておくとよいかもしれません。
防御策(5)
「Copyright Proof」で証明書を表示する
「Copyright Proof」を使うと、第三者(DIGIPROVE)が投稿日時を記録してくれるので、客観的証拠となります。
プラグインを導入すると記事下にこのようなマークが表示されます。

発行元にアクセスすると投稿日時やタイトルが記された証明書を確認できます。

防御策(6)
「Yoast SEO」でRSSに署名を挿入する
ブログ記事を手動でコピペするではなく、RSS から自動的に記事をパクってしまうブログも存在します。これを回避するために、RSS は抜粋表示に設定しておきましょう。
WordPressでは、管理画面の表示設定から「全文表示」か「抜粋表示」を選択できます。

「Yoast SEO」を使って RSS の最後に記事へのリンクと署名も入れておくと、パクリを抑止できるかもしれません。
防御策(7)
トラップコードを仕込んでみる
ブラウザ上でテキストや画像をコピペされるのではなく、ソースごとパクられるケースもあります。
トラップコードを仕込んでおくと、引っかかる人がいるかもしれません。<head>
内や記事本文の間などにコメントをいれておきます。
<!-- パクっちゃいやん(*ノωノ) -->
お遊びみたいなものなので、ツールを使ってソースごと転載しているようなサイトに対しては有効かも、ぐらいで考えておいてください。
余談ですが、書店などで販売されている地図のごく一部には架空の道路や名称が記されていることがあり、他社が無断転載するとそれが証拠になるようです。パクりはウェブ上の問題だけじゃないんですね。
テキストや画像のコピペを技術的に防ぐ方法
防御策(8)
JavaScriptでページ上の右クリックを禁止する
JavaScript を <body>
部分に記述することでコンテキストメニュー(右クリックで開くメニュー)の呼び出しを制御できます。
一部ブラウザでは動きませんし、ブラウザで JavaScript を切られると通用しないので、あくまで簡易的な方法です。
メッセージ(ダイアログ)を表示する場合
<body oncontextmenu="alert('右クリック禁止');return false">
メッセージを表示しない場合
<body oncontextmenu='return false'>
右クリックはできるけどコピーのみ防ぐ場合
<body oncopy="return false;">
防御策(9)
jQueryでページ上の右クリックを禁止する
右クリック禁止は、jQuery を使うほうが簡単です。
ページ全体に適用する場合
$(function(){ $(document).on('contextmenu',function(e){ return false; }); });
特定のクラスのみ適用する場合
$(function(){ $('.クラス名').on('contextmenu',function(e){ return false; }); });
防御策(10)
CSSでテキスト選択を禁止する
CSS で選択(ドラッグ)そのものを禁止することができます。
body { user-select:none; -webkit-user-select:none; -moz-user-select:none; -khtml-user-select:none; -webkit-user-drag:none; -khtml-user-drag:none; }
右クリック禁止を含め、パクリ軽減につながるかもしれませんが、ユーザビリティは間違いなく低下しますので採用すべきかどうか判断が難しいところです。
防御策(11)
jQueryで画像上の右クリックを禁止する
jQuery で画像上の右クリックのみ禁止することもできます。
$(function(){ $('img').on('contextmenu',function(e){ return false; }); });
ページ全体を右クリック禁止としてしまうよりよいかもしれませんが、コピペを完璧に防げるわけではありません。
防御策(12)
背景画像の上に透明な画像をかぶせる
画像を背景画像として埋め込んでしまう方法もあります。
<div>
に背景画像を設定し、<img>
で透過画像をかぶせてください。
<div style="background:url(背景画像URL) #fff;width:300px;height:50px;"> <img src="1pxの透過GIF" alt="" width="300" height="50" /> </div>
記事内の画像ごとに設定するのはかなり面倒ですし、画像検索で不利になると思いますので、使う場面は限られてくると思います。
防御策(13)
.htaccessで画像の直リンクを防ぐ
画像への直リンクを防ぎたいのであれば、.htaccess に以下を記述することでブロックできます。
RewriteEngine on RewriteCond %{HTTP_REFERER} !^$ RewriteCond %{HTTP_REFERER} !^https://example.com/.*$ [NC] RewriteCond %{HTTP_REFERER} !^http://www.example.com/.*$ [NC] RewriteRule ^(.*)$ - [F]
※ example.com = 自分のドメイン
「画像直リンク禁止」としているなら、設定しておいてよいかもしれません。ただし、ブログカードの画像もブロックしてしまいます。
防御策(14)
WordPressプラグインで総合的なコピー対策を行う
「WP Content Copy Protection & No Right Click」などのプラグインを使うと、右クリック禁止やアラートの表示を一括して設定できます。
テーマカスタマイズに不慣れな場合は、試してみてください。
右クリック禁止・ドラッグ禁止は最も有効な対策のように見えますが、デメリットのほうが大きいかもしれません。
法的に許可されている範囲内できちんと引用して紹介したいと思っても、右クリックでコピーできなければ、面倒になってやめてしまう可能性があります。
また、カスタマイズ記事を書いているのにコードがコピペできない、という記事もたまに見かけます。ページの目的達成を妨げるような施策はやめたほうがよいでしょう。
まとめ
無断転載や盗用問題はこの先も続くと思いますが、最低限やっておくべきなのは「自分の記事がオリジナルである証拠をとっておく」ことです。
パクりサイトにとって最大のダメージは、サイトが検索にひっかからない(スパムと判定される)ことですから、自分のブログが検索エンジンに素早くインデックスしてもらえるようにしておきましょう。
もし著作権侵害で訴訟となると、お金も時間もかかります。自分のコンテンツを守ることは大切ですが、無断転載の対応に時間をかけるぐらいなら、より一層磨きをかけたオリジナル記事の作成に注力することをおすすめします。
くれぐれもパクる側にならないよう注意してくださいね。
それでは、また。