WordPress はブログ用の CMS ですが、プラグインを利用すれば SNS サイトや会員制サイトも作成できます。
SNS プラグイン BuddyPress・bbPress の使い方はこちら
目的によって必要なプラグインは違ってきますが、以前 WordPress で有料会員制サイトを運営していたときに実際に使っていたプラグインをご紹介します。
通常のブログ運営に役立つものもありますので、ぜひご覧ください。
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会員制サイトの概要
現在運営している会員制サイトの概要は以下のとおりです。
- 完全非公開の会員制サイト(有料・匿名可)
- 会員サイトにアクセスすると必ずログインページへリダイレクト
- 各ユーザーに個別の ID とパスワードを発行する
- ユーザー一覧は CSV で出力できる
- ユーザーのパスワードは管理者からわからない(強制変更は可能)
- 登録ページから申し込みがあったら、管理者が確認して承認作業を行う
- ニックネームやアイコンを自由に設定してもらう
- 掲示板に投稿すると、ニックネームとアイコンが表示される
- 掲示板のほか、会員専用の個別記事にも画像投稿機能付きコメント欄を設置
これらをすべて WordPress にもともとある機能とプラグインでまかなうことができます。
では、それぞれ紹介していきます。
会員制サイト構築に役立つプラグイン
Theme My Login
会員制サイトの基本的な部分を Theme My Login で設定できます。
プラグインをインストールすると、WordPress にもともとある会員(購読者や寄稿者)登録機能とログイン機能を補強してくれる、という感じですね。
完全非公開にするには、「Security Settings」で「サイトを見るにはログインしなければなりません」にチェックを入れます。
そして、WordPress の「一般設定」で登録ユーザーのデフォルト権限を「購読者」にし、「だれでもユーザー登録ができるようにする」にもチェックを入れておきます。
会員希望者を登録ページへ案内し、登録してもらったら管理者が手動で承認する、という形です。
ログインページなどを任意にカスタマイズすることもできますが、固定ページだけでも最低限の機能は使えます。
その他、パターン別『Theme My Login』その他を利用した会員サイト構築のアイデアまとめ が参考になります。
WP User Avatar
掲示板やコメントなどで会員のアイコン(アバター)を表示させたいときは、WP User Avatar で設定できます。
Gravatar に登録されているメールアドレスなら自動的に紐づけてくれますが、全員が登録しているとは限らないので入れておくと便利ですね。
設定画面から Gravatar を読みこまないようにすることも可能です。
Theme My Login によって生成される登録ページにもアバター登録欄が追加されるので、とくに難しい設定は要りません。
Export Users to CSV
会員一覧は、管理画面の「ユーザー一覧」から確認できます。ただ、そこでは登録日などがわからないですし、Excel などで管理したほうが何かと楽です。
Export Users to CSV を使えばユーザー情報を CSV でダウンロードできるので、あとは管理しやすいように整形するだけ。
プラグインをインストールすると「ユーザー」項目に「Export to CSV」が追加されるので、ここから権限と日付を設定してダウンロードします。
Excel で開いて文字化けしているときは、Windows のメモ帳などでいったん開いてそのまま上書き保存すれば OK です。
bbPress
WordPress 掲示板プラグインといえば、今のところ bbPress 一択かもしれません。
「登録済みの訪問者にフォーラムの役割『参加者』を自動的に付与する」にチェックを入れておくと、会員登録後すぐに掲示板を利用してもらうことができます。
ここが「傍観者」などになっていると、掲示板は見られるけど書きこめない、という状態になってしまうので注意しましょう。
なお、トップページなど任意の場所に掲示板一覧を出力したいときはショートコードが使えます。
テーマファイルに直接記述する場合は、以下のように do_shortcode を使ってください。
<?php echo do_shortcode('[bbp-forum-index]'); ?>
GD bbPress Attachments
bbPress に画像添付機能を追加したいときは、GD bbPress Attachments が便利です。
インストール後、「フォーラム」(bbPress)に「Attachments」が追加されるので、ここから設定できます。
ファイルサイズや画像削除権限などを設定できますが、デフォルトのままでも問題ありません。
登録時に審査を行わず、自由に書き込みができるような無料会員制サイトでは、アップロード権限を設定しておかないと良からぬ画像をアップされるかもしれません……
Comment Images
Comment Images は、投稿や固定ページのコメントに画像を添付できるプラグインです(2016 年 12 月現在、公式ディレクトリから削除されています)。
設定画面はなく、インストールするだけでコメント欄に「参照」ボタンが追加されます。
非会員制サイトで使う場合は、コメントの手動承認を必須にしておきましょう。
いたずらでアダルト画像がアップされるかもしれませんし、もし著作権を侵害する画像がアップされてそれを放置していたら管理者の責任になってしまいます。
DW Question Answer
DW Question Answer は Yahoo! 知恵袋のような Q & A ページが作れるプラグインです。
一覧ページには検索フォームやステータス別のリンクが表示されます。
個別ページでは会員のアイコン(アバター)とニックネームが自動的に表示されます。
会員同士の交流は bbPress で十分ですが、会員からの特定の質問に応えるのは DW Question Answer のほうが使いやすいかなと思います。
ただ、日本語の情報がほとんどないのが難点で、日本語訳もありません。そのため、目に見える部分だけでも Poedit を使って自分で翻訳しないと使えないです。
bbPress と同じく、ショートコードで任意の場所に一覧を出力することができます。
<?php echo do_shortcode('[dwqa-list-questions]'); ?>
WordPress Download Manager
会員向けにダウンロードコンテンツを用意している場合は、WordPress Download Manager で管理すると楽です。
インストールすると「Downloads」という投稿タイプが作られ、そのままページを公開することもできますし、ショートコードで呼び出すこともできます。
パスワードやダウンロード上限数も設定できるので、メルマガに登録してくれたらダウンロードパスワードを教える、というような使い方もできますね。
今のところ WordPress テーマ Gush4 本体・子テーマの配布用に使っています。
icoro One Word
公式プラグインではありませんが、任意の場所に一言メッセージを表示したいときに使えます。
インストール後、表示したい場所に以下のコードを挿入します。
<?php if( function_exists('icoroOneWord') ) { icoroOneWord(); } ?>
あとは管理画面のダッシュボードに表示されているウィジェットからコメントを入力するだけ。
こんな感じでヘッダー部分にお知らせを載せています。
Contact Form 7
会員から管理者への連絡は掲示板だけでも良いかもしれませんが、メールでのやりとりやアンケートをとるなら Contact Form 7 も入れておきたいところです。
以下のようにフォームを設定しておけば、会員登録情報と紐づけてくれます。
■名前入力欄
[text* your-name default:user_display_name]
■メールアドレス入力欄
[email* your-email default:user_email]
これらの入力欄は隠しておいて、本文だけ書いて送信できるようにしておくのも良いと思います。
Contact Form 7のCSSデザインとカスタマイズ方法
その他投稿系プラグイン
以上、会員制サイト構築に役立つプラグインのご紹介でした。
運営中のサイトでは、ブログカスタマイズや SEO といった会員専用の記事を週 3 ~ 5 本ぐらいのペースで提供しています。
記事執筆に欠かせないプラグインがこちら。
通常のブログ運営でも使っているプラグインです。
まとめ
「現在運営中の会員制サイトで実際に使っているプラグイン」として紹介しましたが、実は掲示板を外部サイトに移行したので bbPress と DW Question Answer はほとんど使ってないです 汗
ひとつのサイトで完結したほうが何かと便利ですが、保守メンテナンスに時間がとられるのがネックですね。
一長一短ありますが、WordPress で会員制サイトを作るさいの参考になれば幸いです。
それでは、また。