ProtoArc トラックボールマウス EM01 NL レビュー

「ProtoArc トラックボールマウス EM01 NL」を実際に使ってわかった、使い心地やデメリットをご紹介します。

クリック音や操作感は「ロジクール ERGO M575S」や「MX Master 3s」と比較してみました。高機能な静音タイプのトラックボールを探しているなら、ぜひご参考に。

筆者は残念ながら 2 日で使用をやめましたが、総合的にコストパフォーマンスは高いと思います。

ProtoArc EM01 NL 概要

ProtoArc EM01 NL 外観
ProtoArc EM01 NL

ProtoArc トラックボールマウス EM01 は、「RGB」と「NL」の 2 タイプがあります。

「NL」のほうが後発で、「RGB」から少しアップデートした形。主な違いは下表のとおりです。

EM01 NLEM01 RGB
LEDなしあり
DPI5 段階3 段階
Bluetooth バージョン5.04.2
価格 ※6,260 円5,998 円
※ 価格は 2024 年 6 月時点のもの

バッテリー容量はどちらも 900mAh で、LED が省かれているぶん NL のほうが持ち時間は長くなっています。

Amazon の販売表記価格は NL のほうが若干高いものの、定期配布されているクーポンを使うと NL のほうが安くなるので、NL を買っておけば間違いないでしょう。

NL は、たぶん「No Light」の略だと思います。

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MX ERGO と比較

EM01 は、「ロジクール MX ERGO」を完全に意識した作りになっています。

EM01 NLMX ERGO
左右クリック音静音マウスクリック(カチカチ)
ティルトなしあり
USBType-CType-B
専用ソフトなしあり
価格 ※6,260 円18,470 円
※ 価格は 2024 年 6 月時点のもの

クーポンやタイムセールの割引があっても、価格は MX ERGO の 1/3 ぐらい。

マウスに 1 万円以上かけるのは抵抗があるかもしれませんが、EM01 なら買ってもいいかなと思える値段じゃないでしょうか。

また、静音タイプのクリックが好みであれば EM01 のほうがよいです。クリック感のあるカチカチタイプもよいですけど、深夜とかオンラインミーティング中は少し気を使いますからね。

筆者も静音タイプのトラックボールがほしくて EM01 を購入しました(それまでは M575S を長年使用していた)。

外観と操作感

角度調整

一般的なマウスと比べると EM01 の作りは大きめで、握る・つまむのではなく、手のひらを乗せる(かぶせる)形で使います。

親指トラックボールに慣れていればとくに違和感はありません。つまみ持ちでマウス操作しているなら、慣れるまで数日かかると思います。

ProtoArc EM01 NL 外観

ノーマルの角度は 0° で、底面のマグネット板で 20° に変更できます。

ProtoArc EM01 NL 0°
0° の状態

少し力を入れるだけで簡単に変更できるので、使い勝手はよいと思います。作業中に 0° に戻るようなことはありませんでした。

ProtoArc EM01 NL 20°
20° に変更した状態

USB 充電端子

充電は Type-C ですが、一般的なサイズの USB コネクターは入りません

左右 1mm ずつほど干渉しています。

ProtoArc EM01 NL USB接続部分

写真左が純正のケーブル(横幅 10mm)、右がAnker のケーブル(横幅 13mm)です。

USB Type-C 形状比較

3 ~ 4mm 広げてくれれば汎用品でも使えたのに、ちょっと残念ポイントですね。

純正ケーブルが断線して代替品を探すときはご注意ください。ケーブルの長さを変えたいときは、延長ケーブルを買ったほうがよいかもしれません(純正ケーブルの長さは 100cm)。

なお、USB は充電のみで、PC と有線接続することはできません。付属のドングルを経由して無線で USB 接続するか、Bluetooth 接続です。

ボールエリア

裏面は全面すべり止めとなっています。ただし、型番のシールが貼ってある部分はツルツルなので滑ります。

ProtoArc EM01 NL 底面

小さい穴はボール取り出し用で、細いペンなどを突っ込んでボールを取り出します。

ProtoArc EM01 NL メンテナンスホール

道具なしでボールを取り出せる M575S と比べると、メンテナンス性は劣っているかもしれません。手に汗をかきやすいと少し面倒ですね。

使用頻度や汗をかきやすいかで変わるので、人によって印象は異なるでしょう。

ボールホールには 3 つの支持球とセンサーがあり、支持球の耐久性はそれほど高くないように見えます。

ProtoArc EM01 NL ボールホール

ボールは 34mm で、ロジクール製トラックボールと同じサイズ。

滑りはかなり軽快で、とくに引っかかるようなこともありませんでした。個体差があるかもしれませんが、M575S よりよく回ります(M575S にも個体差があります)。

EM01 はボールを 6 色から選べるのもよいですね。

スクロールホイール

スクロールホイールは、MX ERGO に似せた形状です。

MX ERGO が手元にないので、MX Master 3s と比較。

ProtoArc EM01 NL と MX Master 3s のスクロールホイール比較

ただし似ているのは形だけで、性能は雲泥の差。

スクロールするときの引っ掛かりはやや大きく、とくに上方向の回転音は大きめです。音の大きさは我慢できても、響きがなんだか安っぽいんですよね。

分解してまで確認していませんが、内部が空洞になっているせいでカラカラ音が響きやすいのだと思います。

また、個人的に最も気になったのはホイール手前側のわずかな壁。

ProtoArc EM01 NL ホイール手前の壁

ホイールの下半分ぐらいで操作しようとすると、ホイールを手前に転がしたときに指が微妙にはさまります。

ホイールの中央に指が乗るよう、完全にかぶせて操作すれば大丈夫ですが、ポジションが安定しないとストレスがたまるかもしれません。

クリック音・押し心地

EM01 の左右クリックとカスタムボタン(戻る / 進む)は静音で、スクロールホイールの中ボタンはマウスクリック音です。

M575S とクリック音を比較してみました。

各ボタンの押し心地は、よくある静音タイプのマウスと同じ。

手前側のカスタムボタンは、ほんの少しだけ精度が低く、意識して強めにクリックしないと反応しませんでした。奥側のカスタムボタンと比べ、0.1mm ぐらいの遊びがある感じです。

たぶん個体差によるもので、もしかすると他のボタンも当たり外れがあるかもしれません。これは通常のマウスでも同じなので、試してみないとわからないところですね。

ボタンカスタマイズとジェスチャー機能

EM01 には、ロジクールの「Logi Options+」のような専用ソフトウェアは用意されていません。

でも、フリーソフトを使えばボタンカスタマイズやジェスチャー機能が使えるので、それほど気にしなくてよいと思います。

ボタンは複数ありますが、DPI 切り替えスイッチ / 接続切り替えスイッチはカスタマイズできないので、実質 5 ボタン。

ProtoArc EM01 NL カスタマイズできるボタン

※ 検証はしていませんが、Mac だとカスタムボタン自体が正常に動作しない可能性があります

X-Mouse Button Control がおすすめ

ボタンカスタマイズは、「X-Mouse Button Control 」をおすすめします。

X-Mouse Button Control

このソフトは Logi Options+ よりさらに細かい設定ができるので、ロジクールやエレコムのマウスを使っている場合も一度試してみてください。

たとえば、「右クリックを押しながら左クリックを押したとき」や「長押ししたとき」などの設定もできますし、ホットキーの割り当ても可能です。

レイヤー機能を使って、特定のアプリを開いているときだけの挙動も制御できます。

X-Mouse Button Control のダウンロード・使い方 – フリーソフト100

ジェスチャー機能が必要なら StrokesPlus.net

ジェスチャー機能も使いたいなら、「StrokesPlus.net 」がおすすめです。

StrokesPlus.net

割り当てられるボタンは 1 つだけですが、前後左右だけではなく、軌跡を複数パターン設定できるので困ることはないでしょう。

X-Mouse Button Control と併用する場合、長押し機能が干渉する点だけご注意ください。

設定方法は以下のサイトで細かく解説されています。

「StrokesPlus.net」PC作業効率が圧倒的に向上するマウスジェスチャーソフト – リモライフ

EM01 NL を使うのをやめた理由

筆者は、EM01 NL 購入後 2 日で使わなくなりました。最大の理由は「質感」です

第一印象で筐体の触り心地は問題ありませんでしたが、長時間使っていると、どことなく違和感を覚えるようになったんですよね。

プラスチックの薄さ or 品質 or 内部構造の問題で、操作していると「安っぽいおもちゃ」という感覚が拭えなくなってきます。

いったん気になるとすべての面において気になってしまい、ホイールやボールを動かしたときの響き(手に伝わってくる感触)にどうしても耐えられなくなりました。

はじめてトラックボールを使うならまったく問題なく、総合的にコストパフォーマンスは高いと思います。切り替えボタンが上面にあるので複数端末の切り替えは簡単ですし、DPI 切り替えも意外に便利でした。

X では定期的にキャンペーンが行われているようなので、購入時は公式アカウントも忘れずにチェックしておきましょう。

Amazon セールやクーポンを組み合わせると、4,000 円台で購入できます。

まとめ

EM01 のメリットとデメリットは以下のとおり。

メリット
  • 左右クリックが静音タイプ
  • M575S や MX ERGO より安価
  • ボールの動きはスムーズ
デメリット
  • スクロールホイールの動きがいまいち
  • Type-C 対応なのに汎用ケーブルが使えない
  • コストカットのおかげで安っぽさを感じてしまう

もともとは M575S を使っていて、静音タイプのトラックボールを探して EM01 にたどり着きましたが、残念ながら筆者の手には(感覚的に)合いませんでした。

ただ、静音クリックに慣れるとカチカチ音が気になるようになってしまい、M575S に戻らず MX Master 3s を使っています。

MX MASTER3s

ガラス製マウスパッドとの相性が良く、やはりスクロールホイールの完成度が圧倒的。

自分に合うマウスを探しはじめると沼にハマってしまいがちですが、実際に試してみないとわからない点も多いと思います。

EM01 が気になっていたなら、本レビューがご参考になれば幸いです。

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