
「検索上位を狙うなら検索上位のページを参考してマネしましょう(ただしパクりはダメ)」という SEO ノウハウを目にする機会がここ数年で激増した気がします。
それが絶対的に間違った手法であるとは言いませんが、あくまで言葉の意味をきちんと捉えられればの話です。
「参考にする / マネする / パクる」の境界線がわからずに、ただの盗用(=コピーコンテンツ)になっていないでしょうか? それはただの著作権侵害であり違法行為なので、今すぐ過去記事を見直しましょう。
質の低いコンテンツとは
2021 年 11 月ごろから、「ブログ記事が Google にインデックスされない」という報告が多数寄せられるようになりました。
Google 側・ブログ側の双方で技術的な問題が発生していたわけではなく、単にページ品質の問題であると思われます。うっかり noindex にしていた、知らないうちにサーバーエラーが出ていた、というケースはレアでしょう。
では、質の低いコンテンツとはどのようなものを指すのでしょうか。これは Google 検索セントラルで明確に定義されています。
Google では、無断複製されたページや、オリジナルのコンテンツがほとんどなくユーザーにとって価値のないページを表示することでランキングに入ろうとするドメインに対して、処置を取ります。
質の低いコンテンツがサイトのランキングに与える影響 | Google 検索セントラル | Google Developers
無断で複製しただけのコンテンツは、サイトで他の役立つサービスやコンテンツを提供しない限り、ユーザーに付加価値を提供するとはいえません。場合によっては、著作権侵害にあたるおそれもあります。
無断複製されたコンテンツ | Google 検索セントラル | Google Developers
無断複製されたページが低品質コンテンツに含まれる、ということですね。
複製は一部でも全部でも NG
だれかのブログ記事を丸ごと無断複製するのはもちろんアウトですが、一部を複製する・複数の記事から少しずつコピーするのもアウトです。
しかし、なかには「部分的なコピーであればバレない」とか「コピーしたうえで少し言い回しを変えれば大丈夫」といった考えを持っている方もいます。
冒頭でふれたような、検索上位サイトを参考にする、というノウハウを都合よく解釈したのかもしれません。
検索順位やインデックスどうこう以前の話で、たとえ部分的であっても無断複製はただの著作権侵害です。どうしても第三者の意見が記事内で必要であれば、条件を満たしたうえで引用しましょう。
著作権に関する詳細は、文化庁発行の PDF をご参照ください。
低品質なコピーコンテンツの実例
他人の記事をパクる行為は最近になって増えたわけではなく、昔から頻繁に行われています。
パクりかどうか微妙なところ、というケースが増えたようにも感じますが、だれの目から見ても明らかに無断複製というブログも未だ存在します。
このようなケースはアウト、という実例をいくつかご覧ください。
ミレログ
「ミレログ」という現役大学生のブログでは、上位サイトからコンテンツを抜き出して少し変更を加えたような記事がいくつかあります。
※ 本記事公開後にいくつか削除したようです
ブログを始めた直後はオリジナル記事を書かれていたと思いますが、運営を続けていくうちにネタに困ったのか、よからぬ SEO ノウハウを盲信したのか、だんだんとパクりが目立つようになってきています。
No.3 の記事は原文そのままですから、明らかな著作権侵害と言えるでしょう。


ここまでくると、ミレログ運営者が自らツイートしている「思考停止」そのものではないでしょうか。
特にブログ始めたばかりの人に聴いてほしいのですが、むやみにブログを毎日更新するのはNGです。
— J&I | ブログ×大学生 (@millennium_blog) February 13, 2022
思考停止でブログを大量生産するよりも、KWや記事構成、SEOなどを考えた上でブログを書いた方が読まれるからです。
1週間かかってもいいので、しっかりと思考してブログを書きましょう!#ブログ初心者
BENRI BLOG
「BENRI BLOG」は、検索上位サイトの構成をマネた記事が散見されます。また、他サイトの画像を直リンクで使っている記事も複数あります。
プロフィールには Web 制作をメインに活動と記載されていますが、本当に業界に携わっているなら無断画像使用&直リンクということはしないと思うんですけどね…。Google アナリティクスの解説記事も間違っていますし。
パクりと見られないように記事を仕上げようとしている点が狡猾で悪質です。
「検索上位サイトを参考にする」とは
コピーコンテンツが低品質にあたるなら、「検索上位サイトを参考にする」とはどういう意味なのでしょうか。
そのノウハウを語っている人によって伝えたいことは異なるかもしれませんが(ただの受け売りという場合がほとんどだと思いますけど)、Ahrefs ブログに書かれている検索意図の推測と最適化が一つの答えだと思います。
以下の 3 点を検索結果から探る、というものです。
- キーワードに明確な意図が見られるか
- 最適なコンテンツタイプは何か
- どのような方向性で書けばよいか
上位ページを部分的にパクったり、構成をそっくりマネするだけなら、オリジナルの劣化コピー記事と化してしまうかもしれません。そうした記事は検索ユーザーも Google も必要としていないので、検索順位が上がることはおろかインデックスされることもないでしょう。
検索上位のサイトから学ぶべき点はたくさんありますが、上辺だけではなく本質的な部分を見てください。
初心者だから、悪意はなかったから、というのは著作権侵害の言い訳になりません。
まとめ
「ネットで稼ぐための手段としてブログを選択したけれど、何を書けばよいかわからない」と悩んでいる方ほど、無断複製というラクな道に走りたがるかもしれません。でも、それで結果につながることはないですから、別の道を考えたほうがよいと思います。
自分の知識や体験を必要としている方に届けたい、という強い想いがあるなら、SEO を含めてブログの勉強をしていきましょう。学ぶことはたくさんありますが、楽しみながら一歩ずつ前進できるとよいですね。
それでは、また。