検索上位ブログを「真似する」と「パクる」は何が違う?正しい競合分析方法

ネット上で「検索上位サイトや成功しているブログを徹底的にパクりなさい」とブログ初心者に教えている人をよく見かけます。「稼いでいる人は自分で文章を考えていない」とまで断言している人もいるぐらいです。

「真似する」「参考にする」「模倣する」といろいろな言い方はありますが、ただの無断転載あるいは劣化コピーになっているブログが多いのは、そうした間違った教え方を信じた結果なのかもしれません。

あなたのブログは大丈夫ですか? 注意喚起と共に、正しい競合サイト分析方法を解説していきます。

検索上位サイトをパクるとは

巷にあふれる「検索上位サイトや成功しているブログを徹底的にパクる」というノウハウをまとめると、以下のようになります。

  • タイトルに含めるキーワードや位置を真似する
  • 見出しや記事の流れを真似する
  • 装飾や画像の使い方を真似する
  • 関連記事のつなげ方を真似する
  • ただし、丸パクリは NG

これだけを見れば「丸パクリしなければ(=表現を少し変えれば)OK」と解釈する人もいるでしょう。

さらに、以下のようなノウハウも散見されます。

  • 構成(≒見出し)をパクるのは問題ない
  • パクったブログより情報量を増やせばよい
  • パクったブログにオリジナル要素を加えればよい
  • 完全にオリジナルだと上位表示できない

ここまでくると、「盗用したとみなされないよう表現を変えて記事をパクり、それに自分が考えたオリジナル要素を追加すればよい」と思ってしまっても仕方ありません。

上記のようなポストを信じて実行すると、著作権侵害かつ劣化コピーのブログしか作れないので注意しましょう。

なお、本来「リライト」とは他人の文章を書き直すことではなく、自分で書いた記事をブラッシュアップする、という意味で使うのが正しいと思います。

ブログの過去記事をリライト・修正する 18 のポイント

劣化コピーになっている実例

「丸パクり」というのはどの程度を指すのでしょうか。ここで、2 つの記事を例にあげます。

記事タイトルとリード部分のキャプチャをご覧ください。

オリジナル記事
コピー記事

「ブログの最適な文字数とは」というお題で記事を書けば、似かよった部分は出てくると思います。

しかし上記例にかぎって言えば、どちらかが他方の記事を見ながら書いていることは明らか。アイキャッチ画像のテイストから吹き出しの位置まで同じですし、どこを変えて何を追加したのかだれでもわかりますよね。

完全なコピーではないものの、「丸パクり=劣化コピー」と断言できるレベルではないでしょうか。許可を得て転載したとか、同一人物の可能性もありますが、そうでなければ著作権侵害にもなり得ます。

Note

ブログの運営年数・記事の公開日・検索順位・知名度など、総合的に見ればどちらがオリジナルかは容易に推測できる。

「真似する」と「パクる」の違い

「真似する」や「パクる」の意味は、人によって解釈が異なります。はっきりとした境界線があるわけではなく、グラデーションになっているイメージですね。

真似する

パクる

話を進めるにあたり、本記事では以下のように定義しておきます。

真似する本質的な部分を研究して自分なりの形に仕上げること
パクる本質的な部分は見ずに上辺だけを模倣すること

この定義だと、先ほど例にあげた記事は完全なパクりで真っ黒です。

「なぜそこに吹き出しがあるのか」「ここで自己紹介を出す意味は何か」と研究して書かれたものなら真似したと言えますが、考えることを放棄して上辺をなぞっただけのコンテンツにしか見えません。

検索エンジンへ通報し、法的な対応も検討するレベルです。

ブログ記事が丸パクリ(盗用)されたときの対応方法

それでも、「真っ白ではないけど、完全コピーじゃないからセーフ」と思う人がいるのも事実。そのボーダーラインは、個人のモラルと良識によるところが大きいと思います。

あなたは、「パクるのは悪いことじゃない」と単純に考えて、低品質コンテンツを量産していませんか?

ブログをパクる=低品質コンテンツ

上辺だけを模倣したパクリ記事は、Google が定義する「無断複製されたコンテンツ」に該当し、「質の低いコンテンツ」となります。

  • 他のサイトのコンテンツをコピーし、独自のコンテンツや付加価値を加えることなく転載しているサイト
  • 他のサイトのコンテンツをコピーし、(語句を類義語に置き換えたり自動化された手法を使用したりして)若干の修正を加えた上で転載しているサイト
無断複製コンテンツやスクレイピング | Google検索セントラル

Google では、無断複製されたページや、オリジナルのコンテンツがほとんどなくユーザーにとって価値のないページを表示することでランキングに入ろうとするドメインに対して、処置を取ります。

低品質コンテンツとSEO | Google検索セントラル

その記事が「真似」か「パクリ」かを判断するのは、オリジナルコンテンツ制作者と第三者です。

Google がアウトだと判定すれば検索順位は下がる一方ですし、場合によってはインデックスから削除されるでしょう。裁判所がアウトだと判定すれば、著作権侵害として懲役や罰金となります。

絶対的に Google が正しいわけではありません。だからと言って、盗用しても OK ということにはならないですからね。

「記事を上手にパクるには」と検索している人もいますが、その時点で競合サイトには負けていますし、今後長続きすることなく消えていくでしょう。

検索上位サイトを真似するメリット・デメリット

検索上位サイトを真似するのは、メリットもデメリットもあります。

メリット

メリットは以下の 2 点。

  • 現時点での正解がわかる
  • 自分に足りない点が見つかる

検索順位は、複数の要素が複雑にからんで相対的につけられています。コンテンツそのものも検索評価対象なので、検索上位に入っているページは現時点での正解と言えるでしょう。

競合サイトと比較すれば、自分の記事に足りない点が見つかるはずです。

それは、キーワードの入れ方や関連記事の多さといった内部的な要因なのか、被リンクや指名検索といった外部的な要因なのか、ケースバイケースですね。

デメリット

デメリットは 3 点あげられます。

  • 場合によっては著作権侵害になる
  • 参考がないと書けなくなる
  • アップデートで検索順位が下落したとき対処できない

著作権侵害についてはすでに解説したとおりですが、繰り返し強調しておくと「犯罪」です。

また、最大のデメリットは「ただ模倣しているだけだと、何の力も身につかない」という点。何も考えずコピーしたところで、文章力が向上するわけがありません。

生みの苦しみを味わうことなく楽な道を選んでいると、のちのち大きな壁にぶつかり、どの道ブログをやめてしまうでしょう。とくに検索順位の急落は耐えられないレベルになるはず。

2023 年 8 ~ 10 月のコアアップデート・ヘルプフルコンテンツアップデートでは、個人ブログが大きく順位を落としました。他人のコンテンツをパクってきたブロガーには、リカバリー方法がわからないと思います。

ブログのアクセス数が急に減ったのはなぜ?激減する理由と対策方法

もし記事を書く練習として模写したいなら、ただ上辺をなぞるのではなく、つねに「なぜ」を考えましょう。模写した記事は、当然ながら公開してはいけません。

競合サイトを調査するときのポイント

ここからは、競合サイトを真似して本質的な部分を研究する方法を解説していきます。

ブログのコンセプトを調べる

ブログのコンセプトとは、「だれに何を伝えてどうなってほしいか」のこと。

ブログのコンセプトを決める

競合サイトが雑記ブログであれば全体のコンセプトは定まっていないかもしれませんが、何らかのジャンルに特化しているならブログのどこかに明記されているはずです。

ヘッダーメニューに並んでいるカテゴリーや、トップページの目立つ位置にあるコンテンツをチェックしてみましょう。

以下のサイト(Reinx)であれば、WordPress ブログ初心者向けにノウハウを提供しており、無料相談やメルマガからリード獲得につなげたい、という目的も見てとれます。

Reinx トップページ

「これは目立つしクリックしたくなる」「これだと何をしてほしいのかわからない」と、ユーザー目線で競合サイトをチェックしてください。自分のブログには足りない要素・改善点が見つかるはずです。

競合サイトがアフィリエイトメインなら、リンクをたどって最終的にどこに着くのか調べてみるのもよいですね。「この記事で集客して、興味を持つユーザーをこの記事に誘導している」というのがわかれば、収益を伸ばす道筋が見えてくるでしょう。

ブログと運営者の強みを調べる

コンセプトに加え、ブログの強み・運営者の強みもチェックしておきましょう。「ユーザーに信頼してもらうために何をしているのか」という点が参考になります。

サイドバーやプロフィールページに略歴や実績が載せられていれば、運営者・執筆者が得意としている分野がわかりますよね。

Google は検索品質評価ガイドラインにおいて「E-E-A-T(ダブルイーエーティー)」というコンセプトを打ち出しています。このうち、最初の「E(Experience)」は 2022 年 12 月に追加されたもの。

検索順位に直接影響を及ぼすものではありませんが、もし検索上位サイトのすべてが体験を盛り込んだコンテンツであれば、あなたも体験談を書かなければ上位は難しくなります。

E-A-Tに経験を加えたE-E-A-TがGoogle品質評価ガイドラインの2022年12月更新版で導入

検索上位サイトを模倣するのは体験ではないので、ネットで調べた情報をまとめただけのブログは今後どんどん淘汰されていくでしょう。

記事の書き方を調べる

記事の書き方は最も気になるところだと思いますが、繰り返しお伝えしているように、上辺だけなぞっても意味はありません。「なぜ」を考えましょう。

  • なぜこの画像を使っているのか
  • なぜこの流れにしているのか
  • なぜこの位置にリンクがあるのか

丸パクリはしないとしても、「検索上位サイトの見出しをそのまま流用する」というようなことを続けていたら、いつまでたっても成長できません。

具体的に見ておくべき部分は、過去記事リライトのチェックポイントと同じです。

  1. 記事タイトルにキーワードが入っているか/詰め込みすぎていないか
  2. 記事タイトルは特定のターゲットに向けられたものか
  3. 記事タイトルで読むメリットを伝えられているか
  4. 見出しは設定されているか
  5. 見出しは順序が守られているか
  6. 見出しにキーワードは含まれているか
  7. 画像に適切な alt(代替テキスト)が設定されているか
  8. アイキャッチ画像は記事と関連しているか
  9. テキストを画像に置きかえたほうが理解しやすくならないか
  10. スマホで見てもきちんと表示されているか
  11. 流し読みしやすい文章になっているか
  12. 箇条書きや表に変更できるところはないか
  13. 誤字脱字がないか
  14. 古くなっている情報はないか
  15. リンク切れはないか
  16. 関連記事にリンクしているか
  17. カテゴリーは適切か
  18. 単体の記事にのみ使われているタグがないか

ブログの過去記事をリライト・修正する 18 のポイント

まとめ:検索上位サイトを真似するべき?

ブログを始めたばかりであれば、勉強のために競合サイトを模写してみるのはよいことです。小説家やデザイナーもやっていますよね。

でも、それを公開すると無断転載になります。模写は、あくまで練習・研究のために行ってください。

ただのパクりになっていると、あなたとあなたのブログに対する読者の信頼は低下していきます。著作権侵害(犯罪)になるし、検索順位も上がらないし、と良いことは何もありません。

本質的な部分をしっかり学んでいきましょう。

Author

Naifix 編集部
Web コンサルティング業務を中心に、サイト制作・コンテンツ販売・メディア運営代行業務を行っております。当サイト(Naifix)では、おもにブログ初心者向けのノウハウを無料で配信しています。