Google 検索では、毎日のように何かしらの変更・改善が行われています。とても小さな規模で気づかないこともあり、専門家でさえすべてを見抜くことはできません。
そして、年に数回ほど「コアアップデート」と呼ばれる大規模な変更も行われており、検索順位が大きく上下するケースが確認されてきました。
もしコアアップデートに巻き込まれて順位が低下してしまったなら、サイトを見直す時期かもしれません。ブログ初心者向けに、基本的な知識や対処法、間違った解釈について解説していきます。
Headline
Google コアアップデートとは
Google コアアップデートとは、すなわち「評価軸の変更」です。特定のサイトを狙い撃ちしたものではありません。言い方を変えると、運営年数などに関係なくすべてのサイトが対象となります。
Google 検索のコア アップデート | Google 検索セントラル
ボーナス査定基準を例にすると、このようなイメージです。
- 今までは「業績」を中心に評価していた
- これからは「能力」を中心に評価する
こうなると、たとえ売上実績が優れていても、クレームが多発している社員は評価が下がるかもしれません。
また、能力が評価されるようになってからあわてて資格取得の勉強を始めても、すぐに評価は上がらないでしょう。
そもそも、「評価を上げるために仕事に対する姿勢を変える」ようでは高評価を獲得するのは難しいですよね。
検索においても同じで、押さえておくべきポイントは以下の 3 つです。
Google も、常にユーザーのほうを向くよう繰り返しアドバイスしています。
Google 検索で上位に表示されるようにするには、検索エンジンでの掲載順位を引き上げることを主な目的として検索エンジンを第一に考えて作成されコンテンツではなく、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成に注力することをおすすめします。
検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する
コアアップデートは「答え合わせ」の時期
実際のところ、Google 検索では数百の要素に基づいて各サイトが評価されます。「業績」も「能力」も、さらに 100 項目ぐらいに分かれているイメージです。
コアアップデートにおいて、Google がどこを重視するようになったかは具体的に公開されません。
何とかポイントを探ろうと膨大なデータを集めて評価軸を推測したところで、答えが出るころには次のアップデートが始まっているでしょう。
つまり、分析に時間や労力を割くのはムダで、そんな時間があるならサイトの改善に集中したほうがよい、ということです。真の答えは Google にしかわかりませんしね。
コアアップデートは「今まで取り組んできたことが正解なのか答え合わせをする時期」、と考えてください。
Google コアアップデートへの対処法
Google コアアップデートによりアクセス数が低下してしまったなら、次の手順で対応していきましょう。
- まずは様子を見て、あせって動かない
- どのページ・どのキーワードが巻き込まれたのか調べる
- 必要な場合はコンテンツの改善を行う
01. まずは様子を見る
Google コアアップデートは、数週間かけて行われます。
その期間中は検索順位が大きく変動することがあり、「いったん下がったけどまた元に戻る」というケースもたくさんありました。逆もまた然りです。
アクセス数が急落するとあせってしまいますが、はやる気持ちを抑えてコアアップデート完了まで通常どおり運営しましょう。
アップデートの開始と終了は X で告知されることが多く、Google Search Status Dashboard でも公開されます。
Today we announced the March 2024 core update & new spam policies that, in combination, are designed to show less content made to attract clicks and more content that people find useful. Learn more: https://t.co/wQVZ8mExRB
— Google Search Central (@googlesearchc) March 5, 2024
02. 正確な状況を調べる
アクセス数だけ見ても、本当にコアアップデートが原因で低下したのかはわかりません。
また、特定のページやキーワードのみ落ちることもあれば、全体的に順位が下がることもあります。
Google アナリティクスや Search Console で期間ごとのデータを比較し、正確な状況を把握しましょう。分析方法は以下の記事で解説しています。
ブログのアクセス数が急に減ったのはなぜ? 激減する理由と対策方法
「需要が低下した時期とたまたま重なっただけ」ということもありますから、この機会に基本的な分析方法を勉強するのもよいですね。
03. 必要な場合はコンテンツを改善する
コアアップデートは評価軸の変更ですし、その方向性や方法が完璧というわけではありません。まったく何もいじらなくても、次回以降のコアアップデートで再び順位が上昇することもあります。
そのため、「現在の記事は読者が満足するもので、他サイトよりはるかに優れている完璧な状態」と自負できるなら、とくに調整を考えなくてもよいでしょう。
でも大抵はどこかしら改善の余地があるものですから、客観的に見直すことをおすすめします。
コアアップデートで落ちた記事は、「見出しにキーワードを入れる」「数ヶ所にフリー画像を追加する」というような些細な変更を加えても効果がありません。
また、「何も変更を加えず公開日だけ最新にする」「パーマリンクだけ変更する」というスパムに相当する施策は絶対にやめたほうがよいです。
ちょっと手を加えるだけで順位が元に戻ることはなく、総合的な改善が必要な時にきた、と考えましょう。
コアアップデートや検索に関する FAQ
コアアップデートのような大規模な変更があると、「偽の情報」や「いい加減な情報」がたくさん出てきます。
そこに惑わされてしまうと自らの首を締めることになりかねないので、振り回されないようご注意ください。
以下、とくに質問・相談の多い誤解を取り上げていきます。
コアアップデート中はリライトしないほうがよい?
コアアップデート中に記事の公開や再編集(リライト)を行うのは、何の問題もありません。むしろ通常どおり運営するのがベストです。
ただし、検索順位が下がったからあわてて全記事のタイトルを変更する、というような施策は逆効果になるおそれがあります。
「記事の質を改善するためのリライト」であればよいですが、「検索順位を戻すための小手先のリライト」はやめたほうがよいでしょう。
「リライト」という言葉の定義が人によって多少違うので、そのあたりの見極めは必要だと思います。
公開日を最新にすると順位が戻る?
情報が新しいと見せかけるために公開日のみ変更するのは、Google のガイドラインに反するのでおすすめしません。
コンテンツを実質的に変更していないにもかかわらず、ページを新鮮に見せるためにページの日付を変更していますか。
検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する
たしかに検索順位が向上する時期もありましたが、対策を打たれて通用しなくなってしまいました。
だれでも思いつくような簡単な施策で順位を戻すことは不可能です。
アクセス数の少ない記事は削除すべき?
その記事が「自分にとっても読者にとっても検索においても不要」であれば削除したほうがよいかもしれません。
でも、アクセス数だけを基準にするのではなく、様々な角度から検証したほうがよいと思います。
アクセス数が少ない=検索評価が低い=削除すれば全体の評価が上がる、と直結して考えないようにしてください。
また、削除は最終手段であり、その前にリライトや他記事との統合を検討するのがおすすめです。
ドメインを載せ換えると順位が戻る?
ドメインを変更すれば、順位が戻る可能性はあります。一方で、いつまでたってもインデックスされないなどマイナスになる可能性もあります。
いたちごっこを繰り返した挙げ句、「手動ペナルティ」という最も厳しい措置がとられると、回復するまで数年かかるかもしれません。
目先のことだけを考え、検索順位回復を目的とした極端な施策を繰り返すのはやめたほうがよいでしょう。
今までの経験上、Google コアアップデートより手動ペナルティのほうがよほど恐ろしいです。
専門家に依頼すれば回復できる?
必要最低限の施策ができていない場合、専門家の力を借りるのはよいと思います。
それでも、評価軸が変更されているのですから、短期間で確実に順位を戻すのは不可能だと見ておいてください。
とくに「大手サイトばかりが検索上位を占めるようになった」場合は、以下の施策しかありません。
- そのジャンルはあきらめる
- ジャンルは変えず、個人でも上位を狙えるキーワードを探す
- 検索のことは考えず、ひたすら読者のことだけを考えて数年間粘る
- SNS や広告など、検索以外からの集客を検討する
どの道を選択するかは、あなた次第です。
まとめ
2024 年 3 月は、コアアップデートとスパムアップデートが同時展開されました(本記事執筆時点でコアアップデート継続中)。
AI に 100 % 書かせたような低品質サイトが丸ごとインデックス削除されるなど、世界中で大きな動きを見せています。
今後も、自動化された役に立たないサイトや、検索上位サイトを模倣して書いたような記事はどんどん落とされていくでしょう。
根本的な部分から改善し、何より「ブログを楽しむ」ことを忘れないようにしていただければと思います。